aitendoラジオキット(2)
K-108B-2 7石トランジスターラジオキット

この数年間、AMラジオの製作に凝っていてAMラジオの頁や真空管スーパーラジオの製作の頁を更新したりしております。
今年(2025年)もまた性懲りもなく、東京のアマチュア無線フェアのついでに入谷のaitendoの店舗に行ってきました。土曜日だったのでやっぱり10人程度のオッサン達が集まっており、とても活気がありました。aitendoでは去年に引き続き1500円の7石スーパーラジオキットも購入しました。去年の6石スーパーはIFTが2個の簡易型だったのですが、これはちゃんと3個の本格派?です。(あーだ、こーだ言っても中華キットが好きなんですね。止められません。)

↑ 写真はIFTと発振コイルで、コアが色分けされてない代わりにシールドケースに紅色とか黒色と書かれてます。どこまでコストダウン、それと型番が紅色と黄色は同じです。怪しすぎます。それと、この色表示ですが、aitendoのホームページに記載された回路図が、同HPのプリント基板図と異なっており、その2つが実際のプリント基板図のシルク印刷とも異なっています。一体どれが正しいのでしょうか。
日本の常識なら赤が発振コイル、黄色が1段目、白が2段目、最終段が黒です。シルク印刷はその様になってますので、ここは回路図ではなくシルク印刷どおりに製作します。
また、1段目のベースバイアス抵抗が回路図では220kΩ、部品表では100kΩ、実際の部品は100kΩとなってました。エミッタ抵抗があるので、どちらでも動作すると思いますが、前回製作した中華ラジオが発振ぎみだったので手持ちの220kΩにしておきました。

↑ 電池ボックス部分は例によりプラリペアで補強してあります。電池を入れっぱなしにした場合バネの力でプラスチックが折れると思います。触った感じからケースはABSとかではなくスチロール(プラモの素材)だと思います。
今回、ケースにバリはそんなになかったのですが、バリコンやボリュームのダイヤルツマミがケースにあたって回りません。中華の常(前回のキットで慣れている)ですから地道にやすることにしました。(写真右)

↑ プリント基板は割とすんなり製作できました。回路定数も悪くありません。右はパターン面ですが、IFT等のコイル類のシールドケースは半田付けしませんでした。それは、シルク印刷と回路図のIFTの色が異なっていたからで、一応シルク印刷を信じたのですが、ダメな場合交換できるようにしました。
しかし、シールドケースがアースしてないと回路が発振し、結局全て半田付けしました。(←結果的には、シルク印刷どおりで良好でした。)
また、低周波トランスは緑か黄かの表記がなく、テスターで2次側の直流抵抗を測り、低いものをスピーカー側としました。
中華製キットでは、プリント基板に部品を固定する際に、部品の足を曲げ基板に密着させると言う初心者テクニックは使いません。いつでも取り外せる様に立てたまま半田付けします。メーカー製も大半はそんな感じですし、メンテが凄く楽です。

↑ バラック状態で調整します。最初はピーピー発振しました。こりゃダメだと思い、IFT等のシールドケースを全て半田付けしてからは、うんともすんとも言わなくなりました。
中華製です。ここは焦ってはいけません。
先ずは、中間周波数(IFT黄、白、黒)を合わせます。タイニーSAを出力モードにし、455kHzを終端抵抗で空間結合しますが反応がありません。中華ですから中間周波数が455kHzとは限りません。タイニーSAの周波数を可変すると480~510kHzで信号が入ります。これなら行けると判断し、各IFTを調整し455kHzに合わせました。
通常、IFTは工場で調整されてますからコアの調整は多くて半回転程度なのですが、中華を甘く見てはいけません。IFTによっては1回転くらい回しました。
後は、セオリーどおり520kHzで発振コイル、1620kHzでバリコンのOSCトリマーを調整、次にトラッキングをバリコンのANTトリマーで調整しました。

↑ 全ての調整が終わりましたので、ケースに納めました。感度は抜群です。これで1500円なら、まあまあじゃないでしょうか。
ちなみに、バーアンテナホルダーの固定は、基板のパターン面からポリバリコンの取付ビスで締めてます。そうしないと部品の足の切れ端がバリコンダイアルにあたり回らなくなります。
完成後CBC受信でヒートランさせてましたら、カミさんが、
「なに、この安っぽいおもちゃみたいなやつ。」
中華の浪漫が分からない輩には弱ります。
音は結構大きく部屋で聴く分には何の不満もありません。電源が3Vですから100mW以下でしょうが、良い音がしてます。これは低周波増幅段のドライバートランスと出力トランスのお陰ではないでしょうか。(ちなみに、これは秘密ですが、純正プラスチック製フレームの微弱磁気回路を搭載した純正スピーカーは、手持ちの同口径安スピーカーに交換してあります。その他は純正です。)
またまた、2028年までに間に合いました。