レコード関連一覧

ビートルズの4トラックテープ

オープンリールデッキの修理の際、家を探すとビートルズのホワイトアルバムのミュージックテープ(18cm四方の箱に入った音楽テープで通常レコード1枚分)がでてきました。オリジナルは2枚組LPなのですが、テープは1箱ずつ別々に売られていたようです。
ここで、良い考えがわきました。メルカリでビートルズとセットでオープンリールテープデッキを売ったらどうでしょう。ビートルズのファンは沢山いますもんね。
しかし、翌々考えたら、ビートルズのファンは機器に関しては素人で、まず、テープのかけ方が分からないのではないでしょうか。早送りして巻き戻したテープをそのまま保管してはダメとか、基本を知らないとテープをダメにしてしまいます。やっぱり暫く家においておきましょう。

ビートルズの「ビートルズ」(通称ホワイトアルバム)4トラックミュージックテープです。他にも「ヘイジュード」、「アビーロード」等がテープで発売されていました。
東芝は1975年には4トラックミュージックテープの販売を終了していると思います。(時代はカセット全盛です。)これらのテープは、現在でも素晴らしい音を出してくれます。

キングレコードは、結構後期になっても4トラックミュージックテープを販売してましたが、やはりカセットテープの波にのまれて2,3年後には終了してしまいました。

2020年12月02日

ビートルズ関連の高音質盤(1)

ビートルズもののレコードで、音だけで楽しめる様な高音質ものはあるのでしょうか。よく雑誌の試聴記事で「アビーロード」や「サージェントペパー」が聴かれますが、「それってホントはどうなの。」って感じです。アビーロードなんかは、昔から世界の人に親しまれ聴かれている訳ですから、その一音々々が皆の頭の中に刻まれており、機器を変えた時の音の変化が分かりやすいのは確かです。音楽ファンなら誰でも音を共有できていると言うのは、大きなメリットです。
しかし、このことと高音質であるかどうかは別の話です。
勿論、世界のビートルズですから音が悪いわけはありません。1960年代に発売されたアルバムとしてはトップクラスでしょう。ですが、アナログレコードは、LP盤に限っても1940年代後半から2020年代でも現役の息の長いメディアです。ビートルズ時代の1960年代では発展段階であったはずです。
LP盤の全盛期は1980年代後半から1990年代前半にあるのだと思います。現代のアナログレコードも悪くはないのですがデジタルと比較し圧倒的な差はないように感じます。
ごちゃごちゃ前置きが長くなりましたが、結局、ビートルズものの高音質レコードは何かと聞かれたら(聞かれることはありませんが)、これです。

↑ リンゴ・スターの「グッドナイト・ウィーン」のUK盤です。右はインナースリーブで皆楽しそうなので載せてみました。

ビートルズと言いつつ、解散後の1974年に発売されたリンゴのアルバムです。インナーでも分かる様にジョン・レノンも現役(主夫宣言する前)です。
私は1962年生まれなので、このアルバムは現体験ではありません。しかし、ラジオでタイトル曲がよく掛かっていたのは覚えています。
普通、こんなアルバムの場合、700円程度の国内盤を購入するのですが、バナナレコードに2,000円以下でUK盤が出ていたので買ってしまいました。マトリクスから、スタンパーはオリジナルと一緒と言うことが分かります。TML-Sの刻印もあります。

思いがけぬ高音質

最初は、タイトル曲の「グッドナイト・ウィーン」を聴こうと思い買ったレコードなんですが、全曲楽しく聴くことができました。楽曲も楽しいし、音がメチャメチャ良いのです。シェフェールド・ラボのダイレクトカット盤を聴いているような感覚です。
誰が録音してるんだろうと思いクレジットを見てみると、なんとダグ・サックスがマスタリングしてます。音が良くて当然です。

↑ 初っ端からエンジニアの表記があります。普通は一番最後なんですけど、それだけ音質に拘った盤なのでしょうか。カッティングにも拘ったのならば、日本盤買わなくて(買った時は丁度国内盤は無かった)良かった気がします。
ビートルズの中では一番地味なリンゴ・スターですが、このレコードはオムニバス盤的な楽しさもあり、愛聴盤となりそうです。他にダグ・サックスの絡んだビートルズものがあったら輸入盤で購入しようと思います

2023年04月26日

高音質レコード

現在、高音質な音楽と言ったら、何と言ってもハイレゾでしょうが、ローレゾなレコードの中にも高音質なものが沢山あります。何のことか意味不明ですが、そこは趣味の世界、どっぷりアナログ沼にはまった人達の中では、デジタルよりもアナログ(レコード)の方が音が良いとされています。
私は勿論そう思いませんが、その意見はよく分かります。アナログ時代の音楽はLP盤1枚制作するのに相当な時間とお金をかけていました。それをその時代の媒体で楽しむと言うことは、それなりに有意義なことではないかと思ってます。
そもそも我々世代の人間(1960年代前半生まれ)は、青春時代をFMとカセットテープで育ったので、レコード=高音質と言うものでした。今でこそカセットテープは(一部で)復権してるみたいですが、周波数レンジは狭い、雑音が付加される、歪みが多い、ワウフラッターはある等、どうしようもない音楽媒体だったのです。
それと比較し、レコードは物凄く高音質の媒体だった訳です。レコードに針を通すのが勿体なく、レコードを買ったらカセットテープに録音し、普段はそっちで聴いていた人も多いと思います。レコードを生で聴く(?)と言うことは、本当に贅沢で幸せなことでした。そのレコードですが、1970年代後半位から世の中がHiFiがブームとなり、更に高音質になって行きました。
 

↑ これはオーディオフェアの会場で販売されていた高音質盤です。こんなイベントもののレコードですが意外に音も演奏も良く、お金をかけて制作されたことが分かります。
 

ダイレクトカット盤

高音質レコードの種類として
①PCM録音盤(デジタル録音盤、ただしマスターテープがデジタルなだけで見た目は普通のレコード)
②45回転盤(LP盤は通常33+1/3回転ですが、敢えて45回転にして高音質を狙ったもの)
③ダイレクトカット盤(マスターにテープを使用せず、そのままラッカー盤に録音したもの)
④その他、DMM盤、重量盤、半速カット盤等色々な盤がありました。
 

↑ これは有名なシェフェールドラボのダイレクトカット盤です。日本でもダイレクトカット盤が沢山作られた時期があった様ですが、ダイレクトカット盤はダイレクトカットの効用のみで音が良くなる訳でなく、音の良いLP盤を作ろうと言う精神と、何よりマスタリングが大切なことがよく分かります。(音の良くないダイレクトカット盤も沢山あった。)その点、シェフェールドラボのリンカーンマヨルガさん、ダグサックスさんは素晴らしいです。

オリジナル盤

1980年代の終わり頃、ジャズオーディオファンの間でこんなことが起こってきます。
いつものオーディオ試聴会で1950年代後半のジャズ(マイルスだったか、コルトレーンだったか忘れましたが、1958年録音のLPと思います。)を聴いていると、
「お前のレコード、俺のより抜けてる。」
「俺のは外盤だから買った時からジャケが底抜けだったよ。」
「違う、違う、スネアの音がスカッと抜けてないか。」
「一寸、俺のをかけてみるね。」
「ほんとだ、こっちの方が音がいいな。」
改めて聴き比べると、国内盤の音がしょぼいことがハッキリします。最初はレコードプレーヤーが悪く音が劣化してしまったと思い心配しましたが、そんなことはありません。今まで国内盤は最高だと信じて疑いませんでしたが、これからは国内盤に見切りをつけるしかありません。
そんなことがあって当時は、輸入盤=高音質と盲目的に信じ、ジャズについては輸入盤(中古盤)を購入しました。現在の様にファーストプレス、セカンドプレス等の区別はなく、レーベルの違いのみに拘っていたと思います。(インターネットがない時代ですから、輸入盤の情報なんて輸入盤店でなければ教えてもらえません。)
バレンタインレコードマート(名古屋の中古屋)のお兄さんが言ってました。
「輸入盤って一口に言っても、1つのタイトルで、もの凄い種類の盤があるよ。契約変更で再発の発売元がすぐ変更されるし、アメリカは広いからそこらじゅうで作られてるからね。まああまり気にしない方が良いよ。」
今から考えれば凄く正しい意見です。当時でもクラシックファンにはドイツ盤やUK盤が良いのが当然のことだった様ですが、バレンタインレコードの兄さんから初めて聞いた時は途方にくれました。でも、情報がない分だけ、輸入盤が輝いているように見えました。

↑ これは日本の企画ものの高音質盤です。左は、宮下伸さんの30弦琴と高橋祐次郎さんの津軽三味線のコラボで、ビクターの太田一穂さんのプロデュースです。(この頃のビクターは面白いLPを沢山制作していた。)オーディオ的と言うか、長岡鉄男さんの好きそうな大げさな音がします。(水野ピースケさん譲ってくれてありがとう。)

現在(2023年)

今(令和5年現在)は、高音質=オリジナル盤となっている様です。密かなオリジナル盤ブームとも言うべき時代だと思います。Youtubeで検索しますとオリジナル盤最高!みたいな動画が沢山でてきます。
また、インターネットで検索すれば、どのレコードがオリジナル初回プレスなのか直ぐに分かる時代です。お金さえあれば簡単にそう言うものが手に入ります。
しかし、これは本当に正しいのでしょうか。
1950、60年代だったら日本と欧米に圧倒的な技術の差があったのかも知れませんが、1970年以降はそんな差があるとは思えません。(強いて言えば、1950年代のジャズであっても1980年代の国内再発盤の方が良い場合も多いのです。)
先日、イーグルスのホテルカリフォルニアの初回プレス盤がバナナレコードに売っていたので、試しにと買ってみたのですが、音は国内盤と変わりないばかりか、プチプチ雑音が多く(米盤の特徴ですね)総合的に見れば国内盤の方が優秀(高音質)だったのです。3,000円返せーと言いたくなります。(一寸前まで、これらのロックはオリジナルでも1,000円以下だったし。)500円の国内盤の方が絶対に良いです

今なら500円で買える(かもしれない)高音質レコード

と言う訳で、ブックオフの未整理500円コーナーで見掛た1980年代以降の優秀録音盤を紹介します。
中には輸入盤も同コーナーにあると思いますが、国内盤を購入することをお勧めします。
この時代のロックのレコードはドラムの音が電子ドラムっぽく処理されており、それがデジタル臭いと勘違いしてしまいます。時代の音だと思って聴きましょう。直ぐに慣れます。

バカにならない高音質国内盤等

続きまして、500円では無理だけど、まあまあ安く購入できる(かも知れない)高音質な国内盤等を紹介します。(ジャズ限定ですみません。)

過去に投げ売りされていたオリジナル盤

1970年代以降のロックのレコードは世界中でバカ売れしていた訳ですから、そんなものにそれほどの価値があるとは思えません。(田中伊佐資さん、これ以上クズレコの評価や値段を上げないでください。)
15、6年程前になるかと思いますが、サウンドベイの500円(もしかしたら300円)コーナーにキングクリムゾンの「暗黒の世界」のUK盤がありました。ちょっと珍しかったので購入してみました。家に帰って中を開けてみると(安レコを店で検盤するのを野暮だと思っていたので。)レーベルの縁がピンクで、変な無人島の絵が書き込まれてた安っぽいものでした。
「あちゃー、これ、廉価盤か海賊盤じゃん。サウンドベイの兄ちゃんのくそたーけ。」と思い、そのままお蔵入りしました。
当時、キングクリムゾンの国内盤は、アトランティックの赤緑レーベルだったので、アイランドのピンクリムレーベルがふざけたものに見えたのです。1回は掛けてみたのですが、やはりサーフェスノイズが大きく、
「やっぱ、日本の技術と品質が最高」と思いました。(雑誌(FMfanかFMレコパル)にもそう書いてあったし。)
後年、インターネットで何でも調べられるので、マトリクス情報から、それがオリジナル盤だと直ぐ分かりました。それが分かれば、「UK盤もまあまあの音じゃん。」となりましたが、今でも日本盤の音が悪いとは思いません。(ネットの情報をみると、国内盤はカスみたいに言われてますが、そんなことは絶対ありません。)

↑ ダメダメなオリジナル盤。(サウンドベイの500円コーナーでよく見掛たもの。)15,6年前、ロックの中古盤は、国内盤でも輸入再発盤でもオリジナル盤でも、十把一絡げで販売されてました。こう言う輸入盤を何枚か買うと必然的にオリジナル盤に当たります。当時、インターネットは無く、雑誌等の情報で国内盤の方が高級と思ってました。(今から考えれば良い時代でした。イーグルス盤は本文参照)

結論

結局、比較しなければ分からないようなオリジナル盤を高く買うのは止めましょう。と言いますか、オリジナル盤の定義を変えていただきたいと思います。
まず、1960年代以前のプレスであること、次に初回レーベルであること(初回プレスには拘らない)位にしたらどうでしょうか。
1970から80年代の安レコが益々高価になりますと、一般の安レコファン(ブックオフの未整理500円コーナーに結構居ます、私と同じ趣味の人)が路頭に迷ってしまいます。(現在、ロック国内盤は割と安いので安心はしてますが。)一聴して「音が良い」と言える1960年代以前のもののみ「オリジナル」としていただければ分かりやすくて良いです。
大の大人がじっくり試聴しなければ分からない様な1970年代以降のものは、大概、再発盤の方が音が良いのです。ハッキリ言えば、比べれば分かるが、比べなければ同じレコードです。
以下は国内盤や再発盤でオリジナル盤の音質を楽しむための方策です。
「初盤はラウドだな。」→国内盤のボリウムを上げましょう。
「初盤はシャキとしてるな。」→国内盤のトーンコントロールで高域を3デシベル上げましょう。
「初盤は低音がワーとくるな。」→国内盤のトーンコントロールで低域を3デシベル上げましょう。
「初期盤はイコライジングが違うぞ。」→国内盤はRIAAに統一され、この手の悩みは解消します。
「初期盤なのに音悪いな、でもこれが時代の音だな。」→国内(再発)盤大威張り。時代の音なんてクソくらえ。それと、国内盤にはパチパチ音や歪みが無くなっていますから、エフェクターを使ってこれを再現するのも良いと思います。
 

とは言うものの・・・

オリジナル盤って、何故か魅力があります。オリジナル盤には絶対的なものがあると言っても良いでしょう。
当然、再発盤の方が音が良い場合もあるのですが、それはオリジナルに対する冒涜とされ、違うレコードの様に扱われます。(例えばBG盤とかHTM盤とか。)
それでもオリジナル盤って心地いいと言いますか、何か実在感があります。不思議です。輸入盤の悪口を大分言いましたが、レコード裁判要件が発生し、国内盤と輸入盤の2枚所有しており、どちらかを残し買取屋に持って行かなければならない場合、凄く悩みます。定価で買った国内盤なのか、500円の外盤か、レコスケくんになった気分です。(世の中、白か黒じゃなく、グレーばかりです。)

↑ これはバナナレコードで買ったUK再発盤です。音のキラキラ感が違います。1970年代の再発盤(2EMI盤)ですがマスターテープの所有国は良いなって思います。ホワイトアルバムは盤質も良く、国内盤は聴かなくなりました。(オリジナル盤なんて高くて買えません。しかし、この頃こんな再発盤でもかなり高価になっています。)

2023年04月29日

ビートルズ関連の高音質盤(2)

前回、リンゴスター「グッド・ナイト・ウィーン」UK盤の音が思いもよらず良かったので、他のビートルズ関連アルバムでダグ・サックスさんがマスタリングしたものがあるのか気にかかりDISCOGSで調べました。
するとありました。
ジョージの「リビング・イン・ザ・マテリアルワールド」です。「ギブ・ミー・ラブ」の入った超有名盤で、国内盤で持っていますが、ダグ・サックスさんのマスタリングはメタル原盤までの作業ですので、本当の音を聴くにはUKオリジナル盤を購入する以外にありません。(勿論米盤でもいいけど。)
こんなものを地元のバナナレコードで探しても十年はかかります。
8月に東京で「ハムフェア」(アマチュア無線フェア)が開催されているので、ついでにDISKUNIONで購入することにしました。(ぽっと行ってあるなんて、東京って凄い)

うーん、音は悪くはありませんが、良くもありませんでした。(チキショー、3千円もして、しかもヒンズー教のインサートも欠品だったのに)ダグ・サックスさんがマスタリングしたからと言って全部が全部シェフィールドラボの音がする訳ではないんですね。(当り前か)残念です。レコスケくんには悪いですが、曲もそう良いとは思えません。リンゴスター「グッド・ナイト・ウィーン」の方が数段良い感じです。(バナナレコードで千円台で買えたし。)
ところで、このレコードの国内盤はジョージ年表が冊子として付属しており凄く親切です。同時期の他のメンバーのアルバムにもそれぞれ付属していたと思います。東芝EMIさんえらい。やっぱ国内盤は良いですね。

2023年09月03日

ブックオフのLP盤

diskUNIONで珍しいレコードを買っても自慢しませんが、(お金の無駄遣いだと思っている。)ブックオフとかハードオフで珍しいのを買うと自慢したくなります。ただし、そこでは500円以上する高価盤は買いません。(500円超盤はバナナレコードの方が安いと思っている。)要は、ブックオフ等では、安レコしか購入しません。
これだけインターネットが発達した時代に中古レコード屋で掘り出し盤を見つけることは不可能です。ところがブックオフ等にはあります。確率は1000枚に1枚程度ですが、必ず混じってます。特に値段シールにタイトルやアーティスト名の書かれてないもの、(ただ単にレコードと書かれたもの)の棚の中はよく見ましょう。店でもあまり管理されてなく、入荷したものをそのまま販売してます。そんなコーナーがある店舗を探すのがよいと思います。(管理されてないので、汚盤、キズ盤に注意する必要はあります。)
自慢になってすみませんが、ここではブックオフ等で見つけたお宝盤を紹介します。

↑ ビートルズの「イエスタデイ アンド トゥデイ」はキャピトル盤でレインボーレーベルです。ファーストプレスではありませんが、1960年代のプレスです。ツェッペリン「Ⅲ」は、DISCOGSによるとオリジナルの米盤です。裏にヤマハ渋谷店のシールが貼付されてました。
2枚ともピカ盤で高音質でした。特にビートルズの米盤は音が悪いと言う先入観があったのですが、この盤は驚くほどの音で迫ってきます。
なお、ツェッペリンは、「Ⅳ」のUK盤もありましたが、再発盤で音も悪かったので、バナナレコードに売っぱらいました。(儲けがでました。)
ツェッペリンのアルバムは、タイトルやアーティスト名が分からないジャケが多く、ブックオフ泣かせなので、投げ売りされている確率が高いのだと思います。

↑ 言わずと知れたジャズの名盤です。マイルス「カインド オブ ブルー」は、CBSのジャケ違いの再発盤とデアゴ盤しか持ってなかったので購入しました。買ったのはCBS赤レーベルですが、音は良いものでした。オスカーピーターソン「プリーズ リクエスト」は輸入盤で持ってましたが、今一つ音がパッとしませんでした。この盤の外盤は、昔から高音質で有名なので、家のはどうしてダメなんだろう、と思っていたのです。500円なら買いなおそうと決意し大正解でした。マトリクス枝番はRE1/RE3で高音の延びが全然違います。最初のピアノのジャラーンから違います。(その後インターネットで調べたら、国内盤の再発盤も高音質とのことでした。)

↑ これらは両方とも国内盤です。山本剛さんの「ガールトーク」はJ-POPコーナーで見つけました。ブックオフでは、あるあるですね。こんなですから、行った時は全ての棚を見る必要があります。TBMレーベルでもこんなジャケではジャズと思われませんからね。
マントバーニ楽団の「コンチネンタル アンコールズ」はイージーリスニングの棚にありましたが、(これはブックオフさんナイスです。)私的にはクラシックですが。重量盤であっても区別もなく500円でした。

↑ これらは1枚のLP盤を45回転2枚で再収録した、オーディオ愛好者向けレコードです。500円コーナーにあった場合はどんなタイトルのものでも即買いです。つまらなかったら中古レコード屋さんで買い取ってもらえます。LA4「ジャスト フレンズ」もボールト「ホルスト惑星」(ボールトのホルストって分かりにくい。)も音質良好でした。

↑ 小澤征爾さんとボストン交響楽団のフィリップス録音の国内盤「春の祭典」と「惑星」です。クラシックコーナーに1970年代終わりから1980年代始めに録音されたフィリップス盤が山の様に出てました。1枚試し買いしピカ盤であることを確認し、好きなタイトルを全て購入しました。この頃のフィリップス国内盤は、品質、内容とも抜群です。この頃のライナーには「小澤」ではなく「小沢」と表記されてます。(小澤征爾さんは2月に亡くなられました。合掌。)

↑ クラシックを聴いていると同じ曲がどんどん増えます。まるでビートルズのようです。しかし、私は普段聴く盤が決まっており、それは演奏が良い盤ではなく、音が良い盤となります。(聴かない盤でも処分する気にはならないので困るのですが。)自分が音楽好きなのか、ただオーディオ好きなのか分からないことがしょっちゅうです。この盤も凄く良い音がします。
音楽好きの人は音に関係なく好きな演奏の盤を聴くのでしょう。尊敬します。

以上、ブックオフ等で見つけたお宝盤でした。毎週通っても、全然見つからない時や、一気に10枚越えする時もあります。
ただ、泣き所は、その品質にあります。中古レコード店ならば、酷いものは廃棄されるか、そもそも買取しません。ブックオフは最低でも10円(普通盤で100円程度か)で買い取りますので、品質の悪いものはメチャメチャ悪いのです。(そう言う面で言えば、ちゃんと管理してほしい。)
私は従来、廉価盤を検盤するような野暮なこと(?)は、しまいと思っていたのですが、RockやJ-Popであまりにも酷いものがあり、今は必ず検盤することにしました。500円でも無駄にはできません。(バナナレコードの廉価盤コーナーでは、流石に野暮過ぎてできません、と言うか、バナナでそんなひどい目に逢ったことはありません。)
もしも汚盤に当たってしまった場合には、硬く絞った濡れガーゼでゴシゴシしましょう。それでも取れない汚れは、アルコール綿棒でシコシコしたり、爪楊枝の先でコシコシしたりします。(レコードクリーニングの頁参照、キズ盤は諦めましょう。)
なお、レコードの売却は専門店で行いましょう。その面で言うとブックオフは最低です。(特にRock、JAZZ、クラシックファンの皆様は気を付けましょう。1950年代の貴重なオリジナル盤が10円では、泣くに泣けません。

2024年02月18日

ビートルズのオリジナル盤(バナナ盤)

バナナレコードのビートルズUKオリジナル盤は2EMIボックス盤

ビートルズのオリジナル盤と言えば、当然、UKのイエローブラックパーロフォンレーベル(以下、イエローパーロフォンと言います。)でしょうが、そんなもの日常の生活で見たことはありませんでした。私の住んでいる愛知県と言えば中部地方ではそこそこ都会なのですが、県内の中古レコード屋で(とは言えバナナレコードを本拠地としているので、それ以外の店には、たまにしか行かない。)そんなものを売ってたのを見たことがありません。
現在では、このUKオリジナル盤の音質は最高!みたいな評価が定着している様ですが、1970、80年代の青年にとっては国内盤が何と言っても一番で、輸入盤屋に置いてあった米盤なんか安物に感じてました。
その頃でも、ジャズやクラシックであれば、輸入盤は音が良いと言われてましたが、ポップミュージックなんて音が悪くて当り前みたいな感じだったのです。(特に輸入盤は雑音が多く、反りもあると言われていた。)
巷で、ビートルズのUK盤は音が違うらしいと言われ始めたのは、インターネットの普及した2000年代に入ってからだと思います。それから直ぐに、UKアナログ盤の音質評価は最高で、国内盤はクズと言われるようになりました。現在もそうだと思います。(私自身はUK盤信者ではありませんが、一部そう思うところもある。)
ここで微妙な位置にあるのが、UK盤のシルバーパーロフォンレーベルで、1970年代から80年代にプレスされたものです。
これもビートルマニア(レコードマニア)からみたらクズに近いものなのでしょうが、地方人からみたら、正にオリジナル盤同等でした。(前述のとおりイエローパーロフォン自体を知りませんでしたし、UKでは最初のプレスからプレス終了となる1980年代後半まで、レーベルデザインが変更されても、レコード番号は変わらず、シルバーパーロフォン盤でもオリジナルと思ってました。)
最初にホワイトアルバムのUK盤をバナナレコードで見たときには感動しました。

↑ ホワイトアルバムのUK盤再発です。ジャケに通し番号は無く、レコードの取り出し口はサイドにあります。(国内盤と同様)アップルレーベルで、メンバーのポートレートは、余白部分が無く、長方形でした。

レコードコレクターズ誌でマトリクス枝番と言う言葉は知ってましたので、購入したUK盤ホワイトアルバムの盤面(送り溝)を見ると1枚目が「1/3」、2枚目が「1/2」でした。ジャケに通し番号の表記がありませんので当然再発盤です。
しかし、この枝番なら「ほとんどオリジナルじゃん」と思ってました。
肝心な音ですが、ベールを1枚剥がした音と言うか、鮮度が高く感じる凄く良い音です。本物のマスターテープからレコード作るとこうなるんだ、と感動したことを覚えてます。(後で分かったのですが、ホワイトアルバムのステレオ盤は1980年近くまでこの位の枝番だったみたいです。)

↑ Please Please Meのシルバーパーロフォン(2EMIのフリップバック)です。
なお、本盤は上下のみのフリップバックで1970年頃のみしか製作されなかった様です。

そんなこんなで、ビートルズはUK盤でなきゃだめだと思い始め、機会を見つけては買うのですが、その中でも特に国内盤と全然違う音のする盤がありました。(勿論、国内盤の方が良いものもあった。)
それをよく見るとジャケットの作りも一寸違う気がします。現在ならインターネットで直ぐそれが「フリップバック仕様」と分かるのですが、当時は「古臭いジャケ」と思ってました。フリップバックは1971年頃まで使われていた様で、再発盤としては初期の頃のものです。1970年代から80年代は糊付け部分が内側になるのが一般的な仕様になります。
要は、フリップバックのジャケットに入ったレコードは音が新鮮と言うことなんです。(気のせいかと思い、昨日、もう一度、聴き比べてみましたが、やっぱり鮮度が高いと思わせる音でした。)

 

↑ with the beatlesのシルバーパーロフォン(2EMIのフリップバック)です。店の商品シートでは2EMIと明記されてましたが、B面は1EMIでした。A面とB面でレーベルデザインが異なるのは米盤ではよくある話しかと思いますが、UK番でもあるんですね。普通の2EMI価格で販売されてました。

地元のバナナレコードでイエローパーロフォンを見たことは一度もありませんが、シルバーパーロフォンなら稀に見掛ます。(私はバナナレコード創業以来のファンなのですが、イエローパーロフォンは本当に一回も見たことないです。)価格もそれほど高くなく2~4千円だったと思います。(ジャケの傷み具合により値段が決まっているようです。表記されている場合を除き、バナナレコードで盤質の悪いものに当たったことはありません。)

 

BEATLES FOR SALEのシルバーパーロフォン(2EMIのフリップバック)です。マトリクス枝番は1/1で、これはもうオリジナルと言って良いのではないでしょうか。

レコード関連ユーチューバーの皆さんがよく言ってるのですが、「イエローパーロフォン盤は大概音が良い。」のだそうです。私もそうだと思います。(すみません、聴き比べたことはないです。)
何年か前、清水の舞台から飛び降りる思いで、1万円位するイエローパーロフォン盤を東京のレコード店で通販で購入しました。音は良いことは良いのですが、パチパチ音が止まりません。1960年代前半のレコードですから考えてみれば当り前です。当時の若者のオーディオ装置と言えばポータブル電蓄です。良い状態でレコードが残っているのは稀でしょう。(←この時点でイエローパーロフォンに対する憧れは消滅した。)

結論(地方におけるオリジナル盤とは) 

長くなりましたが、安価で、盤の状態が良く、音が新鮮なのは、フリップバック仕様のジャケットに入ったシルバーパーロフォン盤である、と断言できます。(私にとってはオリジナル盤です。)
シルバーパーロフォンレーベルでフリップバックジャケットの盤は1969~1971年の短い期間に製作されたものと思われますが、バナナレコードで見掛ると言うことは、結構な数がプレスされたものと思われます。(価格が上がらないことを願ってます。)
なお、ビートルズも後期の作品に関しては、初盤がアップルレーベルになりますし、国内盤との音質乖離も極僅かです。

↑ インナースリーブは、こんな広告付きのものや、白いものに入ってました。広告の内容からしても1970年のものと思います。

がんばれバナナレコード

今年(令和6年)になってからバナナレコードの金山店が閉店してしまいました。仕事の帰りに週2で、新入荷コーナーを覗いていたのに残念です。岡崎店だけでも長く続いてくれますように祈ってます。
そう言えば、この頃、バナナレコードさん500円以下のコーナーを拡大してますが、クズレコ感が否めません。ブックオフの場合は、掘り出し物が出てくるワクワク感がありますが、専門店ではそれがないのです。ディスクユニオンの様になれとは言いませんが、もう少し考えた方が良いかと思います。40年以上通ったので、あと20年位は続けて通いたいです。頑張ってください。バナナレコードさん。

2024年06月16日