ビートルズ関連の高音質盤(1)
ビートルズもののレコードで、音だけで楽しめる様な高音質ものはあるのでしょうか。よく雑誌の試聴記事で「アビーロード」や「サージェントペパー」が聴かれますが、「それってホントはどうなの。」って感じです。アビーロードなんかは、昔から世界の人に親しまれ聴かれている訳ですから、その一音々々が皆の頭の中に刻まれており、機器を変えた時の音の変化が分かりやすいのは確かです。音楽ファンなら誰でも音を共有できていると言うのは、大きなメリットです。
しかし、このことと高音質であるかどうかは別の話です。
勿論、世界のビートルズですから音が悪いわけはありません。1960年代に発売されたアルバムとしてはトップクラスでしょう。ですが、アナログレコードは、LP盤に限っても1940年代後半から2020年代でも現役の息の長いメディアです。ビートルズ時代の1960年代では発展段階であったはずです。
LP盤の全盛期は1980年代後半から1990年代前半にあるのだと思います。現代のアナログレコードも悪くはないのですがデジタルと比較し圧倒的な差はないように感じます。
ごちゃごちゃ前置きが長くなりましたが、結局、ビートルズものの高音質レコードは何かと聞かれたら(聞かれることはありませんが)、これです。
↑ リンゴ・スターの「グッドナイト・ウィーン」のUK盤です。右はインナースリーブで皆楽しそうなので載せてみました。
ビートルズと言いつつ、解散後の1974年に発売されたリンゴのアルバムです。インナーでも分かる様にジョン・レノンも現役(主夫宣言する前)です。
私は1962年生まれなので、このアルバムは現体験ではありません。しかし、ラジオでタイトル曲がよく掛かっていたのは覚えています。
普通、こんなアルバムの場合、700円程度の国内盤を購入するのですが、バナナレコードに2,000円以下でUK盤が出ていたので買ってしまいました。マトリクスから、スタンパーはオリジナルと一緒と言うことが分かります。TML-Sの刻印もあります。
思いがけぬ高音質
最初は、タイトル曲の「グッドナイト・ウィーン」を聴こうと思い買ったレコードなんですが、全曲楽しく聴くことができました。楽曲も楽しいし、音がメチャメチャ良いのです。シェフェールド・ラボのダイレクトカット盤を聴いているような感覚です。
誰が録音してるんだろうと思いクレジットを見てみると、なんとダグ・サックスがマスタリングしてます。音が良くて当然です。
↑ 初っ端からエンジニアの表記があります。普通は一番最後なんですけど、それだけ音質に拘った盤なのでしょうか。カッティングにも拘ったのならば、日本盤買わなくて(買った時は丁度国内盤は無かった)良かった気がします。
ビートルズの中では一番地味なリンゴ・スターですが、このレコードはオムニバス盤的な楽しさもあり、愛聴盤となりそうです。他にダグ・サックスの絡んだビートルズものがあったら輸入盤で購入しようと思います