Ver1.00

Routes


僕たちは限りない可能性を捨て去って、
唯一の今を選び取っていく。
その先に、かけがえのない未来があることを信じて……

2003 年 2 月 28 日、Leaf より発売
Leaf Visual Novel Series Vol4



動機

 やはり、俺的に一番信頼のおける会社なので。作品の出来はある一定以上の出来は確実に保証できるので心配じゃありませんでしたが、むしろ周りの評判が気になったりするあたりが非常に信者的なのです。

どんなゲーム?

 スパイ(エージェント)が一般に認知されている時代での、学生エージェントの周りで起こる事件と恋愛模様。そして…。

システムについて

 システムは、おなじみビジュアルノベルスタイルです。絵を文字で覆ってしまうことから嫌う人もいますが、個人的には絵と文字が一体で見られるため好きなシステムです。そのビジュアルノベルスタイルも、今回で通算 5 作目になります。それゆえに、ある程度完成したつくりとなっています。前作にあたる、痕リメイクから採用されたサイドバー(システムの主要機能が集められたバー)も、今回から半透明だけで無く、透明、常に表示、使用しないを選べる等、細かいですが進化しています。セーブは、10 × 10 の 100箇所。最近よく見るようになった、セーブ時の画像保存も当然ついてます。セーブ画面保存形式だと、多少レスポンスが重く感じるゲームもありますが、Routes に関しては良好に感じました。スキップ関係は、既読未読スキップが完備され、それぞれ押しつづけた時か一度押すだけでか選択できます。Ctrl とホイールボタンがスキップボタンに設定されているため、マウスでやる人も、キーボードでやる人も楽にスキップできると思います。ホイールついてないとアレですけど…。今回、ホイールでバックログを確認できるのは当然のことながら、テキスト送りもホイールで出来るため、ホイールが非常に便利な役割を果たしているので、ホイールマウスでやることを推奨します。また、フォーカス外れてもちゃんとスキップし続けてくれるのは、スキップ中に他の作業をすることが多い自分としては助かります。ただ、フォーカス外すことで誤動作を起こすこともあるみたいですが…。その時は、「テキスト送り設定」で「左クリック押下中」のチェック外すといいらしいです。

 問題点としては、システムメニューに環境設定が無く、環境設定はタスクバー上にある。つまりは、設定が一箇所でなく分散しているのは少しわかりづらく使いづらいです。個人的には、スキップの機能切り替えはもっと簡単に切り替えられたらなあと思います。また、サイドバーにスキップが無いのも気になりました。これはホイールマウスがあれば問題ないのですが、やはり機能を集約させるにはスキップもつけとくべきかと思いました。最近、標準的になりつつあるオートプレイがないのをマイナス点となる人もいるかとおもいます。俺は、オートプレイを使用しないので特に問題にはしませんでしたけど。

 後は、細かいことなんですがシステムメニューを開くと最下部に現在演奏されてる曲名とボリュームバーが表示されるのは、良い感じだと思いました。もう一つ、スペースでなく Shift での画面上の文字消去は、今の標準的なエロゲシステムのボタン機能と少し違うためとまどいを感じました。このあたり、統一されるといいと思うんですけど…。

 細かい問題点もありますが、総じて使いやすく完成されつつあるシステムだと思いました。

 システムの話、最後になりますが修正ファイルがでています。特にデュアル CPU(P4の3.06 で HT 有効とか)の方はプレイされる際には忘れずに適用して下さい。

音声、音楽について

 音声はありません。音声付きがエロゲ標準となっている今、少し寂しく感じるかもしれません。ただ、音声無しには音声無しの利点もあるかなと思います。個人的には、ビジュアルノベルスタイルは無しの利点が発揮できる数少ないシステムだと思っています。

 音楽は、さすが Leaf 。非常に高いレベルにあると思います。各場面場面にあっているのはもちろんの事、単体で聞いても良いです。曲のループを意識してある、いいゲームミュージックだと思います。一部、懐かしい雰囲気(ピコピコ風?)曲もありますが、それもまたゲームにあっています。 ボーカル曲も良く、音楽は文句なしです。総曲数は 40 曲。かなり多いです。

グラフックについて

 原画は、Leaf 大阪といえばこの人、カワタヒサシ氏。今回はいわゆるアニメ塗りでクッキリハッキリしているため、元々ある程度くせがあるんですが、多少好き嫌いが別れるかもしれません。かくゆう俺も、最初は少し今までとの違いに戸惑いましたが、最終的には慣れたというか好きです。背景も、綺麗さで有名な草薙(外注)やっている為、レベル高いです。総 CG 数は 72 枚(差分含まず)。やはり、シナリオ重視な為か H シーンは一人一回程度で一回あたり 3 枚程度です。

シナリオについて

 エージェントとかが話の基礎となっていますが、主体は恋愛なので本格的なスパイもの、細かい戦闘描写等を求めると肩すかしを喰らう可能性が大きいです。個人的には戦闘描写は音楽効果もあって良いとおもうんですが、この辺は戦闘シーンを細かく見ずに勢いで読んでいる俺のスタイルも功を奏している感じがします(笑)シナリオライターが永田氏、まるい氏と二人いて、二人担当のシナリオが本当に静と動、表と裏、明と暗でくっきり別れているため、この辺りの差に違和感を感じる人もおおいとおもいます。

 ただ、一つ一つのシナリオが物足りなく感じても最後までやって欲しいと思います。共通ルートがほとんどないので、思った以上にボリュームが有り、また最後までやると、やらないとではかなり印象が変わります。Routes は、おまけシナリオを終えるまでが Routes です。

全体について

 全てが高いレベルにあり、安定した良作だと思います。とりあえず最後までやってください。

 点数をつけるとするならば、個人的評価は、100 点満点で 95 点。大体の人が、80 〜 90 点の間に入る評価をするんではないかと。逆に、評価が 70 点以下だとちょっと辛め、90 点以上は個人的にツボにはいったんだなぁと解釈していいゲームかと思います。


ここからはネタバレ全開で言いたい放題です

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