繊維の知識

1.繊維の太さの表し方
  @番手
     綿番;1番手は1ポンド(453g)で840ヤード(768m)あることを表す。
         (綿・スフ・ビニロンなどの太さを表す際に使用する単位です。)
     麻番;1番手は1ポンド(453g)で300ヤード(274m)あることを表す。
         (亜麻・ラミーなどの太さを表す際に使用する単位です。)
     毛番;1番手は1000gで1000mあることを表す。
         (羊毛・アクリルなどの太さを表す際に使用する単位です。)
  Aデニール
     1デニールとは、9,000mで1gの重さの物を表す。
     (ナイロン・ポリエチレン・その他長繊維の太さを表す際に使用する単位です。)
  Bテックス
     1テックスとは、1,000mで1gの重さの物を表す。
     (ナイロン・ポリエチレン・その他長繊維の太さを表す新しい単位です。)

デニール・番手の換算表
綿番 10 20 30 40 50 100 200
麻番 2.8 5.6 11.2 16.8 22.4 28 56 57.2 112 140 280 560
毛番 1.7 3.4 6.8 10.2 13.6 17 35 51 68 85 170 340
デニール 5215 2657 1328 886 664 531 266 177 133 106 53 27
テックス 590.5 295.3 147.7 98.4 73.8 59.1 29.5 19.7 14.8 11.8 5.9 2.95


2.糸の状態による分類
  @スパン(紡績糸);綿状のものをつむいだもの
    (例;綿糸・スフ・羊毛・麻・ジュート・ナイロン・ビニロン・アクリルなど)
  Aマルチフィラメント;ごく細い長繊維を集めたもの
    (例;ナイロン・ポリエステル・ポリエチレン・炭素繊維・ガラス繊維など)
  Bモノフィラメント;太い繊維を1本で糸にしたもの
    (例;ナイロン・ポリエチレン・ビニロン・ポリ塩化ビニールなど)
  Cフィルム;長繊維でフィルム状のもの、または、解繊糸状のもの
    (例;ポリエチレン・ポリプロピレン・スプリットヤーンなど)


3.繊維の鑑別方法
  鑑別したい繊維の隅を燃やし、燃え方・臭い・灰の状態で判断します。

繊維名 燃え方 臭い 灰の状態
ポリエチレン
ポリプロピレン
溶融しながら徐々に燃焼する パラフィン臭 塊状で硬いが灰はほとんど残らない
ビニロン 収縮しながら徐々に燃焼する 特有の薬品臭 硬い黒褐色の灰を残す
ナイロン 溶融しながら徐々に燃焼する アミド特有の臭 硬く明褐色のガラス状の灰を残す
ポリエステル 溶融しながら黒煙をあげて燃焼する 芳香臭 硬い黒褐色の灰を残す
アクリル 収縮溶融しながら燃焼する 特異臭 もろく不規則な黒い塊となる
アクリル系 燃え難く、収縮して炎から離れる 特異臭 もろく不規則な黒い塊となる
綿・麻 燃えやすく、炎を離しても燃える 紙の燃える臭 少量の柔かい灰になる
絹・毛 溶けるようにして炎から離れ、緩慢に燃える 毛髪の燃える臭 黒色もろい灰になる
レーヨン
キュプラ
ポリノジック
人絹
容易に燃え、速やかに燃焼する 紙の燃える臭 少量の柔らかい白色の灰を残す
アセテート
トリアセテート
溶融して炎から離れ、溶融しながら燃焼する 酢酸臭 黒色の硬くてもろい灰を残す
ビニリデン
ポリ塩化ビニル
燃え難く、収縮して炎から離れる 刺激性薬品臭 もろい不規則な黒い塊となる
ポリウレタン 溶けながら燃え、炎を離すと燃え続けない かすかな特異臭 粘着性のあるゴム状の塊となる
ポリクラール 燃え難く、収縮しながら塊状となる 弱い刺激性薬品臭 硬い黒褐色の塊を残す
プロミックス 収縮しながら黒煙を上げて燃える 毛髪の燃える臭い 黒色のややもろい灰を残す

<注意事項>
   判別する繊維(糸)に焔を近づける、いきなり燃やさずに徐々に近づけた時の様子、次に燃え方、
  臭い、最後に残った灰の様子から判断する。
   最近では、多様化、複合化の進展から確認がなかなか困難になってきたため鑑別は1つの方法
  だけでなく、他の方法とも組合わせて確認することをお勧めします。