ーーーがんの緩和医療ーーー

H14/9/7日:豊島病院緩和ケア科医長向山雄人医師の講演より

がんの緩和医療とは
終末期がん患者さんの身体的・社会的・霊的を全人的苦痛ととらえ、チームでこれを、治療(ケア)する試み(ホスピス哲学)を拡大した医療
がん内科専門医(内科腫瘍医、メディカルオンコロジスト)が行うべき医療
(1) がんを縮小させる治療
(2) がんに伴う苦痛に対する治療
プロの内科専門医には、「もう治療法方が無いからどこかの医療機関へいって転院してください」と言う言葉は無い。
東京都立豊島病院の緩和ケア病棟の取り組み
全室個室(宗教・その他のプライバシーの保護)  病床数ー20床
医師・看護師・薬剤師・栄養士・技術師・などでチームを組24時間体制でケア治療
がん疼痛の治療
(1) 世界保健機構(WHO)の基本的な考え方
  鎮痛薬使用の5原則/段階的な治療目標の設定
(2) がん疼痛の原因
(3) がん疼痛治療効果の判定(痛みに対するスケールを作成してそれによって判定)
(4) がん疼痛治療の現状と日本の取り組み
(5) がん疼痛治療におけるオピオイド鎮痛薬はがん疼痛治療の主役
その代表がモルヒネである。
@ モルヒネについて:モルヒネの効き方/モルヒネ製剤の種類/投与方法/副作用
A フェンタニルパッチ製剤について:新しく認可された貼付型オピオイド鎮痛薬
B オピオイド鎮痛薬の変更で効果を上げる方法(オピオイド・ローテーション)
(6) がん疼痛に対する他の医療による治療(神経ブロックなど)
(7) モルヒネが効きにくい神経因性疼痛の治療(意識低下治療など)
(8) がん疼痛を増加させる因子と低下させる因子
(9) がん疼痛治療の実際(家庭に帰ることを前提とした治療)
QOL :生活の質(Quality of Life)の略
QOLとは、癌に限らず、病気を治療する時には、患者の生活の質を保ってできるだけ満足が得られるように配慮するべきだという考え方です。
終末期医療の実際
患者・家族・医療スタッフ・等で尊厳をもってむかえられる。
がん治療医に求められる5つの「S」

@ 最新情報などを理解し、より良い医療を提供する。(科学性・Science)
A より良い医療技術の提供や人間関係を作る能力(熟練度・Skill)
B 適正な医療を選択できる能力(センス・Sence)
C 患者さんや家族の苦しみや悲しみに共感し、対処できる能力(感度・Sensitivity)
D 適正な医療が出来る施設(組織・System)

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